2017年2月3日金曜日

アセットアロケーションの検討


私が世界の経済成長を信じられる理由


アセットアロケーションについて,私なりの考えをお示しします.

アセットアロケーション(資産配分) とは
投資家のリスク許容度、目標、時間軸に応じて、ポートフォリオ内の各資産の割合を調整することにより、リスクとリターンのバランスを取ろうとする投資戦略である。
Wikipediaより

つまり,分散投資する際の「先進国株式」「日本国株式」「新興国株式」「先進国債券」「日本国債券」「新興国債券」「先進国REIT」「日本国REIT」「新興国REIT」といったアセットクラスを適切に配分して,リスクとリターンのバランスがとれた投資を行おうというものです.

アセットアロケーションには明らかな間違いはあっても,正解は存在しません.
個々の投資家が求めるリターンやリスク許容度が異なりますので,千差万別です.

山崎 元先生のこちらの記事こちらの記事後半はこちら)が参考になるかと思います.

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私のアセットアロケーションも山崎先生の「超簡単お金の運用術」(先進国株式:日本国株式=50:50)を参考に決めたものですが,現状では先の運用指針に示した通り先進国株式:日本国株式:新興国株式=75:15:10といったものに落ち着きました.

この結論に落ち着いた経緯について記載したいと思います.

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そもそも株式は今後も値上がりするのか

株式の長期的な値上がりは経済成長に起因するものです.
長期的な投資を行う場合は短期的な騰落の影響は小さく、経済成長が続く限りは右肩上がりの株価変動が期待できます.



実際NYダウの最長期グラフを見てみると、かの「リーマンショック」ですら容易に吸収するほどの右肩上がりのグラフがみられます(google先生に「だう」と聞いてください).

では,今後も経済は発展し続けるのでしょうか?

経済規模は「国民総生産(GDP)」で表され,これが成長する限りは経済成長が期待できます.そして,「国民総生産」は「人口」と「一人当たりの生産性」の積で表されます.


「国民総生産」=「人口」×「一人当たりの生産性」



「世界人口」は現在でも増加傾向にあります.
これ以降のグラフは総務省統計局のデータを使用しています)

一方,「一人当たりの生産性」はどうでしょうか?

生産性の向上は技術革新によるものが大きいです.
今でも新技術が絶え間なく出ているように,今後も技術革新は続くことが予想されます(核戦争や巨神兵でも来ない限り衰退することはないでしょう).
また,現在の先端技術は人口の多くを占める新興国には行き渡っているとはいえず,今後これらの国々に技術が広まることで,世界的な生産性は向上が期待できます.

以上を総合すると
「国民総生産↑↑」「人口↑」×「一人当たりの生産性↑」
という結論が出ます(理論上の話ですが...)

以上の理由から,世界経済の発展については,私は楽観視している次第であります.

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なぜ日本株を減らしたのか

ここでもこの式がカギになります.
「国民総生産」=「人口」×「一人当たりの生産性」

日本は世界に誇る「ものづくりの国」であり,技術革新は今後も進むと信じています.
ただ,気になるのが以下のグラフになります.



日本人口は1985年以降横ばいが続いており,2011年を境についに減少に転じ,今後はさらに減少傾向が加速することが予想されています.

つまり,
「国民総生産??」「人口↓」×「一人当たりの生産性↑」
ということで,今後の動向は未知数と言えそうです.



実際,ここ20年ほどの日経平均を見てみると,ほぼ横ばいと言えるのではないでしょうか?

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日本株をアセットアロケーションから外さない理由は

これにはいくつか理由があります.

①リスクの集中を避けるため

アセットアロケーションの数を減少して,一部に集中するとリスクの上昇を招きます.
日本株は世界全体の約10%を占めるもので,除外するのはナンセンスでしょう.


②積立投資なら勝ち目はある

確かに「一括投資」の場合は長期成長が期待薄な日本株への投資は有効性が低いかと思います.

ただ,「積立投資」であれば,十分勝ち目はあります.
「積立投資」は開始時−終了時の値上がり益のみでなく,暴落を利益に変換できるという性質があります(詳しくは「積立投資の底力 part2」参照).

先の「日経平均」のグラフと「NYダウ」のグラフを比較していただくと,「日経平均」の変動幅が非常に大きいと感じます.

これは,世界の投資家の間で「日本円」が世界経済が不安定化した際の「安全資産」として機能しており,暴落局面では異常な「円高」が起こり,これが輸出銘柄を中心とした「株安」につながる.
世界的な暴落時は「円高」がダブルパンチで襲ってくる

反対に,好景気が起こった時は,円が売られて「円安」が進行し,さらにこれが輸出銘柄を中心とした「株高」につながる.
世界的な好景気は「円安」が追い風になる

このように日本株は暴落と好景気の変動幅が大きく,長期的に大きな経済成長が見込めなくても利益を出すことは十分にできると判断しています.

③愛国心

私にも人並みの愛国心はありますので,「日本の成長を諦めたくない」「日本経済に貢献したい」と言った気持ちがあります.
世界の日本株配分に+5%しているのはこの気持ちが元かと思います.

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新興国株を入れた理由は

世界人口は増加していますが,「先進国」と「新興国」の人口比はどうでしょうか.



こちらも,統計局からのデータをグラフ化して見ました.
グラフを見るとわかる通り,「新興国」の人口比がこれからも増加することが予想されており,「人口増加」のグラフと合わせると,「新興国」の人口増加はめまぐるしいものがあります.
また,技術革新が遅れていることからは,その伸び代もまだまだ期待できます.

つまり,
「国民総生産↑↑」「人口↑↑」×「一人当たりの生産性↑↑」
ということで,ポテンシャルは抜群ではないでしょうか.

これだけの市場を無視することはできないかと思います.

一方で,「新興国」は「政治の安定性」「通貨の安定性」「内戦」など,不確定要素が大きく,アセットロケーションの中心とするにはリスクが大きいです.

そこで,10%程度に抑えて組み込んで見ました.
もちろんアセットロケーションの分散で,リスクを低下させる目的もあります)

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アセットアロケーションのリスクを決定するもの

今回は「株式」のみのアセットアロケーションについて論じてきました.
私自身,「債券」「REIT」のアセットクラスは組み込んでいません.

これには,以下の理由があります.

「梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー」の水瀬さんもおっしゃっているように,アセットアロケーション全体のリスクに大きく関与するのは「日本国債券」の割合です.「先進国債券」「新興国債券」はリスクの低下には大きくは寄与しません(これらは「先進国株式」「新興国株式」とも相関した連動を示しますので,リスク分散としての効果は薄いです).

「日本国債券」について,最も安全性が高いのは「個人向け国債」になりますが,現状では利率は最低の0.05%が続いています.
「日本国債券」を「安全資産」と置き換えて考えるのであれば,現状の私の環境を考えると年利1.5%の「共済貯金」(ペイオフの対象外ですので,厳密には「安全資産」と言い切れませんが,過去に共済組合が破綻したのは数例のみであり,リスクは低いと判断しています),年利0.1%超の「ネット銀行」(「ネットバンクを上手に利用しよう」を参照してください)を利用する方が有利になります.
これらはある程度流動性の高い商品ですので,「個人向け国債」へのスイッチは容易です.

「REIT」については,リスク分散としてはある程度有用とは思います.
ただ,不動産投資の最大のメリットである「給与所得」との損益通算(不動産赤字を給与所得と合算して,課税所得額を減額する)を使えないため,「REIT」に投資するくらいなら「現物不動産」に投資した方が良いのではと考えています.

以上の理由から,私のリスク資産のアセットアロケーションは株式クラスのみとなっています.

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積立投資の原理やアセットアロケーションの考え方まで網羅した,積立投資初心者に大変親切な本ですので,ご紹介します.

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