2017年1月23日月曜日

積立投資の底力

2016年は波乱の1年でしたが「積立投資」のメリットを実感できました.
実際のデータから「積立投資」の特徴をご紹介します.

トランプ大統領の就任式が終わり,アメリカ経済の先行きが読めなくなって来ました.
今年も年初から株価は世界的に不安定になりそうですね.
ただ私としては,特に何の対策をすることもなく,愚直に積立を続けていく所存であります.
(積立方針についてはこちらの記事をご参照ください)

積立投資を始めたばかりの個人投資家の方(私も2年生になったばかりですが..)には,暴落したらどうなるのか不安な方も多いかと思いますので,参考までに去年の投資成績と,積立投資の底力についてお伝えしようと思います.

私が積立投資を始めたのは201512月でした.
2016年は年初から右肩下がりで株安・円高が進行し,熊本地震ブレグジット・ショックなど日本株式に悪影響を与える出来事が続きました.世界的にも株価は低迷していた状態です.
一方,11月にトランプ大統領の就任を皮切りに,バブルとも言える株高・円安の進行が見られました.

2016年度の株価と円相場を以下に提示します.






見ていただくとわかる通り,TOPIXは年初と年末でほぼイコール,ダウはやや2000程度の上昇,円相場は5円程度の下落となります.

仮にこの1年間を年初の「一括投資」でスタートしていた場合,下落相場に恐怖しながら1年を過ごし,年末でやっと切り返したものの,利益はほぼ0(外国株はやや上昇でしょうか)になったかと思います.暴落時のストレスに対して,このリターンでは始めたばかりの方は心が折れてしまうかもしれません.
(もちろんインデックス投資の成績は1年で判断するものではなく,10年以上の長いスパンで見るものなので,ここで一喜一憂する必要はないのですが...)

一方で,私が¥50,000/月の「積立投資」で挙げたリターンは現時点では+¥130,000(リターンにして約+10%です.


この1年の変動が「積立投資(分割)」の性質を如実に示しています.

「一括投資」の本質が「始めと終わりの価格差のみでリターンが決定する」という単純なものであるのに対し,
「分割投資(積立投資)」の本質は「途中の暴落時にどれだけ安く口数を買い集められたか」というものになります.

最終的な売却額は(最終的な基準価格)×(保有する口数)で示されます.

「一括投資」の場合は(保有する口数)は一定ですので,利益を上げるには(最終的な基準価格)の上昇を待つしかありません.つまり,株価の暴落=「ただ耐え忍ぶだけの守りの期間」になります.

一方で,「分割投資(積立投資)」では株価の暴落=「口数を安く大量に買い込めるバーゲンチャンス」になりますので,いわば「攻めの期間」です.そのため,仮に(最終的な基準価格)の上昇が思わしくない場合(積立開始時より下回っていた場合)も,最終的に(保有する口数)が多い場合は利益を得ることができます.

今年のような状態が今後も続くとは限りませんが,2016年は積立投資の理解に丁度良い価格変動を示していましたので,紹介いたしました.

もちろん,「積立投資(分割投資)」も万能ではなく,右肩上がりの経済状態を示す場合は「一括投資」の方が有利になり,統計上は長期的には「一括投資」の方が有利な傾向にあります.
ただ,「バブル経済以降の日本株の変動が右肩上がりとは言えず,騰落しながらほぼ横這いであること」「ブレグジットショックのような暴落局面を心安らかに,前向きな姿勢で乗り切るため」には「積立投資(分割投資)」が有効かと思います.
また,「積立投資(分割投資)」では投資1回あたりの重みが小さいですので,投資の開始時期を図る必要がない(直後に暴落が来ても後悔しない)というのも初心者向きで良いですね.

トランプ大統領の動向など,先行き不透明な状態で,投資を躊躇している方々の参考になれば幸いです.


積立投資についての詳細な情報については以下が良書ですので,ご興味がある方はどうぞ.
(※その他,優れた投資本についてはこちらの記事にまとめてあります)



投資本 インデックス投資 アクティブ投資 インデックスファンド アクティブファンド パッシブ 積立投資 一括投資 比較

0 件のコメント:

コメントを投稿